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女性泌尿器科診療を始めるに当たり


私は平成8年に大学を卒業、泌尿器科医として働き始めこれまでに様々な尿路・男性生殖器の疾患を診療して参りました。泌尿器科という科の特性上、高齢の患者様を見る機会が多く中でも膀胱癌や前立腺癌といった尿路生殖器腫瘍の診療頻度は高いものがあります。

その一方、時折「膣からピンポン玉のように出て来るものがある」という症状で泌尿器科外来を受診される女性患者の方に出会う機会が増えて来ました。これこそ女性泌尿器科における主な疾患である骨盤臓器脱の典型症状で、膣壁の奥には膀胱や子宮が存在し、膣壁と共に体外に脱出しているわけです。この骨盤臓器脱や、咳・くしゃみで尿が漏れる尿失禁の症状がどれほど不快なものかは、私も問診の際によく伺っており心中お察ししているつもりです。男性患者様で多く見られる鼠径ヘルニア同様、骨盤臓器脱は膣管を経由して骨盤内臓器が膣から脱出する、「ヘルニア」の一種で、その不快感は患者様の生活の質を低下させ得るほど非常に悩ましいものです(上段イラスト参照)。


骨盤臓器脱に対する根治療法は手術ですが、かつては伸びた膣壁を切除して縫い縮めたり、元々の組織を使って子宮や膀胱を固定したりと自前の組織による補強が主体でしたが、
2005年以降経腟メッシュ手術(TVM手術)が登場して、治癒率の向上が望めるようになりました。人工素材であるメッシュを補強材料として使用しますが、既に鼠径ヘルニア手術で実績があり、生体適合性も高いことから骨盤臓器脱手術にも応用されるに至ったと推察します。
治療のページでもご説明しますが
骨盤臓器脱根治に当たり、当科ではTVM手術と、腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)を使い分けています。
手術を受けることに抵抗がある方、年齢・体力面から手術実施のリスクが高い方には、リングペッサリーやフェミクッション®といった、保存的加療を勧めています。

腹圧性尿失禁に対する治療は、軽度の場合は骨盤底筋体操と投薬で経過を見、重症例には尿道直下にメッシュテープを置く手術を実施しています。


前置きが長くなりましたが、骨盤臓器脱、尿失禁といった女性泌尿器科疾患に苦悩しておられる患者様が可能な限り不快な症状を自覚しない、元の日常生活に戻るために手助け出来ればと考え、一般外来と並行して女性泌尿器科診療を始めることと致しました。


適切な治療を受けることで、これまで控えざるを得なかった運動や外出も、また出来る可能性が高くなります(中段・下段イラスト参照)。

 

骨盤臓器脱や尿失禁の症状が疑われる方は、お一人で悩まず当科外来を受診なさってみてはいかがでしょうか。
骨盤臓器脱は生活の質を低下させる(島田 誠、女性なら知っておきたい骨盤臓器脱、メディカルトリビューン社 p37より引用、一部変更)
治療後は不快な症状が消失して運動も可能に
治療後は遠出もまた可能となり得ます

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